思わぬ発見

今日は部屋の掃除をした。
私の部屋は元姉の部屋なので、姉の物もたくさんある。
よって、今日はそれをひとまとめにしようと重い腰をあげたのだ。
本や雑誌、CDに昔のカセットテープなど…かさばるものばっかりでちょっと苦労したけれど、なんとかまとめることができた。

そのなかに古いアルバムを発見。
ひとつは姉の幼いころのアルバム…でももうひとつは??
誰のものか、わからない。古いモノクロの写真に写っている人物も、私は知らない。
裏表紙には「FOR YOKO」とマジックで書いてある。
私の親族に「ヨーコ」という名前の人はいない。
写真にうつっているのは幼い男の子や若い男女。いったい誰なんだろう…。
自分の部屋に潜んでいたミステリアスな展開に思わず胸がざわついた。

そこで思いついた。もしかしたら私の兄のアルバムではないか、と。
私には兄がいる。
隠していたわけではないが、あまり人に話したことはない。
正確にいうと、私は4人きょうだいなのだ。
兄と姉、そして私と弟である。
兄と姉とは異父兄弟である。
諸々の家庭の事情で兄とは一緒に住まなかった。
しかし、私が小さいころは兄は頻繁にこっちの家に遊びにきていた。
私は兄が大好きで、兄も私をとても可愛がってくれた。欲しい物は何でも買ってくれたし、初めて煙草を吸ったのも兄のマルボロである(当時5歳)。
クリスマスには仕事帰りに来てくれて、一緒にプレゼントを買いに行った。
遅くまでやっているおもちゃ屋さんにいって、ケンタッキーにも行った。

でも、いつからか兄は来なくなった。
兄は結婚して、子どもも生まれた。
その子どもを見に行ったのが兄に会った最後だと思う。
今年は年賀状も来なかった。
きっと新しい家族に囲まれてとても幸せに暮らしているから、うっかり私たちに会いに来るのを忘れているのかもしれない。きっとそうだと思う。
でも、どこかで、「どうして会いに来てくれないの?」と幼い私が寂しがっている。
こんなに大きくなって、背だってお母さんより高いし、成人式もしたんやで。
もう彼氏もいるし、煙草だって吸うんやで…。
どうか、どこかで幸せに暮らしていますように。
そして私の結婚式にはきっと来てくれますように。
なんだかちょっとセンチメンタルになってしまった…。